Dance in the kitchen (4'08")       
                           − シャッフル フュージョン系 −


    制作期間 … 2007年6月20日〜8月9日
           

<創作〜作曲の動機>

 実はモチーフは少々古く、2005年頃に録音していた思いつきのメモから引っ張り出してきたものです。TRITON-RACKのガットギターが良い音色だなあ、と思いながらいじり回しているうちにふと浮かんできたものでした。メモした段階ではもっとスローでけだる〜い感じの、ヒーリングミュージックっぽい雰囲気でした。
 最近、いくつかストックしてあるこうした曲想メモをもうボツしちまおうか…とばかりにまとめて聴き返していたのですが、この曲のモチーフはその際にちょっと耳に残り「保留」にしていました。とはいえ、ここから上手く展開させるのはちょっとなあ…と戸惑うシロモノでもありました。

 さて6月の初旬、僕の敬愛して止まないポール・マッカートニーがニューアルバムを出したのですが、そのオープニング曲である「DANCE TONIGHT」という曲のマンドリンのフレーズが気に入り、ipodに入れてほぼ毎日のように通勤電車の中で聴いてました。
 6月18日。朝の通勤途上で初めはT-SQUAREを聴いてたんですが、この日がポールの誕生日だったことを思い出し「こりゃ〜今朝はポールやな」とばかりに「DANCE TONIGHT」を聴き始めました。するとその瞬間、「待てよ、こんな感じであのモチーフ、マンドリンっぽくアコースティックギターの刻みを入れて踊れるみたいなノリにしたらどうだろ」というヒラメキが。さらに「で、リズムはさっき聴いてたスクェア風に、シャッフル!いままでやったことなかったもんなあ!」というインスピレーションも! まあ〜さすがポールの誕生日だけのことはありますw
 すかさずメモ録音!…したかったのですが、ここは満員電車の中。降りるまで耳ふさいで必死に頭の中でそのイメージを反芻していました。そして駅に到着!降りるやいなやICレコーダーを出して頭の中で鳴っているテンポとノリでAメロからBメロまで一気に歌い、手帳を取り出して、方向性のアイデアを走り書きしたことを良く覚えてます。周りの状況はあんまり覚えてないんですが、さぞ変なヤツに見えたんじゃないかなあorz
 壁際で人目を忍ぶがごとく、小声で歌うようにはしてたんですけどね(^^ゞ


 サビだけは今回このリズムで行くことを決めてから作ったものです。とにかくとにかく、A&Bメロよりも高い音程で、ということを念頭に紡ぎ出しました。


<制作の日々から学んだこと>
 ここのところ転調に凝ってまして、この曲にも転調を入れようと当初から考えていたのですが、あんまりオーソドックスなやり方ばかりでも成長しないように思い、上げたり下げたり、後半ではいろいろやってます。本来創作というのは自由であり、感性はバクハツしていなければならない!とは思うのですが、いろいろ試してみたら試してみたで今度は不安になりました。つまり「不自然に聞こえるんじゃないか」「違和感を覚えるんじゃないか」というわけです。このあたりはなんか、作り手の性格が出てしまうような気がしますね〜…いつものEWさんに出しても、2,3人から感想もらっただけではまだ安心できず(笑)、不安で仕方なかったのを良く覚えています。
 まーそれだけにいろいろやってみて、また1つ経験から来る思い切り・自由にやってみる勇気といったものを少し身につけることができたような気がします。EWでは、いろんな方から制作に関して具体的なアドバイスも頂けて本当に嬉しかったのですが、それと同じぐらい、今回ルールに捕らわれずやってみた転調をスンナリ受け容れてもらえた、ということが僕にとって貴重な体験でした。
 つくづく、作品というのは発表することで別次元のものに転化するということを痛感した次第です。


  

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