Cloudy    (3'23")  − クラシック風 ピアノ&ストリングス −



    制作期間 … 2008年11月25日〜2009年1月14日
           

<創作〜作曲の動機>
 2008年の秋、実生活では公私とも非常に多忙でストレスが多く、イライラしてしまうことも多い時期でした。
 趣味のアウトドアにココロのオアシスを求めようとしたんですが、その計画もことごとく天候に恵まれずボツになり続け、フラストレーションはますますたまっていきました…。そんな時、ふと今のこういう心境を作品へ素直にぶつけてみようか、と思い立ちピアノに向かったことで曲が生まれました。
 時を同じくして、ちょうどその頃テレビで見たショパン 24の前奏曲集』の特集番組にもかなりインスピレーションをもらったと思います。。。
 「ああ、ショパンも休暇先での悪天候に心を痛めていたのか…」みたいな。
 それにしてもピアノという楽器の素晴らしさ・懐の深さを再認識しました。今回は書き始める前、いつも以上に「本当に、曲が出来るんだろうか」という不安があったのですが、いざピアノに向かって何分か経つと、その音色に導かれるように最初のモチーフが現れ、その後は自分でも意外なほどスルスルっと展開していきました。
 陰鬱な曲調ではありますが、「こういうマイナー系の作品も、きちんと作れるようになっておかないと」という
、実は前向きな意識で取り組んだ作品です。



<制作の日々から学んだこと>

(1)年末にアレンジについて迷っていた時、NHKの「あの人に会いたい」という短い番組の中で、画家の東山魁夷の話を偶然聞いたことが自分の中での大きな「事件」となりました。
 
「自分はずっと色彩のある絵をやって来たが、このたび墨絵を手がけてみて、色づけが単純なほど作品に込められた精神性はむしろ高くなるということに気づかされた」という話にハッとさせられたのです。…今回のアレンジが100点満点とは思っていませんが、あえて音源1つ(SC-88pro)、楽器の種類も3つぐらい、とシンプルに作った方向性は良かったと思っています。
 弦のアレンジで参考にしたのは、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」の終楽章、それとラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第1楽章です。…いかにも、かもしれませんが(笑)
 また、仕上げの音質が粗いのもひとつの特徴です。いろいろ助言もいただいたのですが、今回のテーマには、あえてこの音質の悪さで勝負してみたいと思いまして。


 ちなみに、ちょっとあちこち調整して、若干クリアにしたものも作ってみました。
よろしければこちらの「ボーナス・トラック」へもどうぞ(笑)

(2)やはりこのたび「短調の曲」ということ自体が1つの大きな壁でした。音階(スケール)ひとつとっても、なんで3種類あるんだ?!みたいな。
 ですがいざ作り始めて意外だなと思ったんですが、展開させて長く引き延ばすこと自体は、長調より短調…というか、暗い曲調の方が断然やりやすいな、と感じました。後半のアルペジオの展開なんて、自分の中では短く切り上げた、という感覚なんです。このあたり、僕という人間の特殊な感じ方なのか?それとも短調というものの持つ普遍的な特徴なのか?そこらへんははっきりわからないんですが…。ただ、プログレとか、長い曲って暗い感じのものって多いですよね…。
 それと!そのアルペジオなんですけど、締めくくりの最後のところで、去年10月、当HPのBBSで
Etukoさんから微に入り細にわたって教えて頂いた「ナポリの2」を導入できました。(ハ短調なんで、D♭和音) これは僕にとって本当に大きな一歩でした!改めてEtuko姐さんに御礼申し上げます。<(_ _)>



追記:実はこの曲から、制作環境をスタインバーグのCubase Essencial-4に替えました。MIDIの操作はもちろん、VST音源などにも今後しばらくは暗中模索が続きそうです。が、一方で同じCubaseシリーズを使っている方々から思いがけずいろんなアドバイスやヒントをいただきました!大変だけど、新しい世界も開けそうです♪

  

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